その年の福徳を司るとされる陰陽道の神。
歳徳神のいる方角を恵方や明きの方といい、万事に吉だとされます。年神ともいいます。この神が輸入される以前にも、日本には固有の年神がいました。年神は穀神だったと考えられ、それが歳徳神と習合されたのだと考えられています。愛媛県の怒和島では、大晦日の夜、氏神様の後ろに「金の神の火」と呼ばれる火が下がるとされます。地元ではそれを歳徳神が来られた合図と捉えているようです。
主な参考資料
[文献]
『日本民俗學辭典』:747ページ 中山太郎 編 昭和書房 1933
『妖怪談義』(講談社学術文庫): 214-215ページ 柳田國男 講談社 1977