江戸時代に備後国三次の稲生武太夫という少年が体験した妖怪談。
寛延2年(西暦1749年)、武太夫が比熊山で百物語をしたことをきっかけに、彼の暮らす屋敷に様々な妖怪が出没するようになります。妖怪たちの猛威は毎日続きましたが、豪胆な武太夫は動じませんでした。そして1ヶ月が経った日、妖怪の頭である山本五郎左衛門が武太夫の前に現れ、彼の勇気を讃えると、妖怪たちを引き連れて去っていったそうです。この逸話は国学者・平田篤胤の紹介によって周知のものとなりました。
主な参考資料
[文献]
『図説 妖怪画の系譜』(ふくろうの本): 16-18ページ 兵庫県立歴史博物館、京都国際マンガミュージアム 編 河出書房新社 2009