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ひょうすべ

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 九州地方に伝わる妖怪。

ひょうすべの概要

 「兵揃」「兵主」などと書き、河童のことだとされる。

 ヒョウスベの名前の由来については、河童が「ヒョーヒョー」と鳴くことにちなむという説や、兵主神ひょうずしんという武神と関わっているとする説がある。また、渋江氏の祖先である兵部大輔島田丸にちなむ伝説も存在する(後述)。

 ヒョウスベは佐賀県、ヒョースベは長崎県や宮崎県に伝わっている呼称のようだが、宮崎県では他にヒョウスポドン、ヒョウスボ、ヒョウスボウ、ヒョウスンボ、ヒョウスンボワロ、ヒョスボ、ヒョスンボ、熊本県ではヒョンスボなどといった類似の名が伝わる。

ひょうすべの伝承・逸話

佐賀県

 杵島郡橘村の潮見神社は渋江氏を祀っている。渋江氏は河童の主であり、祖先には兵部大輔島田丸という、工匠の奉行を務めた者がいた。春日社の大工事の際、内匠工が人形を作り、秘法の加持で命を与えて使った。後に人形は川に捨てられ、河童となり害をなしたが、島田丸がそれを鎮めたことから、河童のことを兵主部と呼ぶようになったそうだ。
 この地方では「ヒョウスベよ約束せしを忘るなよ川立男氏も菅原」という歌が伝えられている。これは水難避けの歌なのだという。

ひょうすべの画図

 江戸時代の絵巻や図譜には猿のような姿のひょうすべが度々描かれている。

【ひょうすべの画図が掲載されている主な資料】
 資料名 作者 制作年 妖怪名 画像
『化物づくし』(個人蔵) 不明 不明 へうすへ
『百怪図巻』(福岡市博物館蔵) 佐脇嵩之 1737 へうすへ 画像
『画図百鬼夜行』前篇 風 鳥山石燕 1776 ひやうすべ 画像


『百怪図巻』「へうすへ」 佐脇嵩之 1737


『画図百鬼夜行』前篇 風「ひやうすべ」 鳥山石燕 1776

主な参考資料

[文献]
『綜合日本民俗語彙 第三巻 ツ―ヘ』 柳田國男 監修、民俗學研究所 編 平凡社 1955
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 79ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『河童の研究』 大野桂 三一書房 1994
『全国妖怪事典』(小学館ライブラリー): 219-220ページ 千葉幹夫 編 小学館 1995
『妖怪事典』: 289-290ページ 村上健司 毎日新聞社 2000
『河童伝承大事典』 和田寛 編 岩田書院 2005

白沢

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