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酒呑童子

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【しゅてんどうじ】

 丹波国の大江山に棲んでいたという
 酒天童子、酒典童子、酒顚童子とも表記される。

酒呑童子の概要

 平安時代に眷属たちを従えて大江山に巣食っていた。

 その容姿は、『御伽草紙』によれば、顔は薄赤く、髪は子供のように切り垂らしているが、背丈は大人に勝るほどだったという。
 また『大江山絵詞』によると、体長が5丈もあり、頭や胴は赤、右足は黒、左足は白、右手は黄、左手は青かったという。そして角が5本、眼が15もあったという。

 正暦の頃、京の都で若君や姫君が行方不明になる事件が相次いでいた。
 朝廷が陰陽師の安倍晴明に占わせたところ、大江山の鬼の仕業であると発覚。源頼光と藤原保昌が大江山に向かい、酒呑童子の首をはねて退治した。

 鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』(1779)にも酒顚童子の姿が描かれ、次のように解説されている。

酒顚童子
大江山いく野の道に行かふ人の財宝を掠めとりて積たくはふる事山のごとし 輟耕録にいはゆる鬼贓の類なり むくつけき鬼の肘を枕とし みめよき女にしやくとらせ 自ら大盃をかたぶけて楽めり されどわらは髪に緋の袴きたるこそやさしき鬼の心なれ 末世に及んで白衣の化物出と聖教にも侍るをや

『今昔画図続百鬼』上之巻 雨 鳥山石燕 1779


『大江山絵巻』


『今昔画図続百鬼』上之巻 雨「酒顚童子」 鳥山石燕 1779


『大江山酒呑退治』 歌川芳艶 1858


『東錦絵』「頼光四天王大江山鬼神退治之図」 月岡芳年 1864

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 115ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『鬼』(Truth In Fantasy): 13-22ページ 高平鳴海、糸井賢一、大林憲司、エーアイ・スクウェア 新紀元社 1999
『妖怪事典』: 186ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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