妖怪の事典

砂掛すなかばばあ

 奈良県、兵庫県に伝わる妖怪。

伝承・逸話

奈良県

 人気のないお社の森などを通る人に砂を掛けて驚かせます。名前に「婆」とありますが、その姿は誰も見ていないそうです。

スナカケババ 奈良縣では處々でいふ。御社の淋しい森の蔭などを通ると砂をばら/\と振掛けて人を嚇す。姿を見た人は無いといふ(大和昔譚)のに婆と謂つて居る。

『民間傳承』第三卷・第十一號: 12ページ「妖恠名彙(二)」 柳田國男 民間傳承の會 1938
【底本】『民間伝承』第一巻 民間伝承の会 編 国書刊行会 1972
兵庫県

西宮市今津

 この土地でいうスナカケババは狸だとされています。
 オーヒガッサンの隣に借家があって、その家の松の木にスナカケババが現れました。夜にその場所を通ると、狸が頭上で砂を掛ける音をさせます。しかし、砂そのものは見当たらないのだそうです。

砂かけ婆

主な参考資料

[文献]
『民間伝承』第一巻 民間伝承の会 編 国書刊行会 1972
『妖怪事典』: 198ページ 村上健司 毎日新聞社 2000
『日本怪談集』妖怪篇 上(中公文庫BIBLIO): 158ページ 今野圓輔 中央公論新社 2004

[ソフトウェア]
『水木しげるオフィシャルBOX 妖怪世界遺産』 講談社 2002

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