熊本県に伝わる妖怪。
伝承・逸話
熊本県
玉名郡南関町
シバカキという怪物がいて、夜道で石を投げるそうです。
シバカキ 夜分に路傍で石を投げる恠物だといふ(玉名)。シバは多分短い草の生えた處のことで、そこを引搔くやうな音もさせるのであらう。
『民間傳承』第三卷・第十一號: 12ページ「妖恠名彙(二)」 柳田國男 民間傳承の會 1938
【底本】『民間伝承』第一巻 民間伝承の会 編 国書刊行会 1972
柳田國男はシバカキを「柴を掻く妖怪」と推測しましたが、元々は「柴餓鬼」だったかもしれないという見解もあります。餓鬼は飢えて路傍で倒れた死者の霊であり、歩行者に供養してほしくて、自身の存在を知らせるために石を投げるのではないかというのです。