山口県に伝わる怪異。
伝承・逸話
山口県
大島郡大島町小松
周防灘の大島瀬戸あたりでは、旧6月頃になるとどこからか太鼓の音が聞こえてくるそうです。
コクウダイコ 周防の大畠の瀬戶で舊六月の頃に、何處とも知れず太鼓の音が聽える。之を虚空太鼓と謂ふ。昔宮島樣の御祭の日に、輕わざ師の一行が爰で難船して死んでからといふ(鄕土一卷五號)。
『民間傳承』第三卷・第十號: 12ページ「妖恠名彙」 柳田國男 民間傳承の會 1938
【底本】『民間伝承』第一巻 民間伝承の会 編 国書刊行会 1972
聞こえてくるのは高低のない単調な音だそうで、大畠では小松の方から聞こえ、小松では笠佐島の方から聞こえるといいます。