雪女
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【ゆきおんな】
日本各地に伝わる妖怪。
雪女の概要
雪にまつわる女の妖怪。主に雪の夜や吹雪の際に現れるもので、各地で様々に言い伝えられている。
『宗祇諸国物語』(1685)に登場する雪女は、肌の白い20歳ほどの若い女で、白い絹の着物を身に着けているという辺りの記述は一般的な想像とも差異がなさそうだが、背の高さは一丈(約3メートル)もあったという。雪女とは雪の精であり、大雪の降る年に現れる者だと説明されている。
雪女の伝承・逸話
青森県
〇雪女は又の名を巳の子といふ、美しき女の貌して幼兒を懐いては雪の夜に出で、人を見れば、此兒を抱てよと乞ふ。人其請を容るれば兒は急に天に迄も達くやう大きくなる、さりとて其請に應ぜざれば其人は死ぬ。昔、弘前の武士が此雪女に逢ひ、兒を抱てと賴まれたれば、口に短刀を銜へて兒の頭に刀尖が觸るゝやうにして抱きたれば、兒は成長する事もなくて居たり。かくて復、雪女に兒を返したれば、雪女は謝して寶物の種々を此武士に與へたりと。
『津輕口碑集』: 128ページ 内田邦彥 鄕土研究社 1929
岩手県
一〇三 小正月の夜、又は小正月ならずとも冬の満月の夜は、雪女が出でゝ遊ぶとも云ふ。童子をあまた引連れて來ると云へり。里の子ども冬は近邊の丘に行き、橇遊をして面白さのあまり夜になることあり。十五日の夜に限り、雪女が出るから早く歸れと戒めらるゝは常のことなり。されど雪女を見たりと云ふ者は少なし。
『遠野物語』: 90ページ 柳田國男 1910
雪女の画図
【雪女の画図が掲載されている主な資料】
資料名 |
作者 |
制作年 |
妖怪名 |
画像 |
『化物づくし』(個人蔵) |
不明 |
不明 |
雪女 |
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『百怪図巻』(福岡市博物館蔵) |
佐脇嵩之 |
1737 |
ゆき女 |
画像 |
『画図百鬼夜行』前篇 陽 |
鳥山石燕 |
1776 |
雪女 |
画像 |
『化物絵巻』(川崎市市民ミュージアム蔵) |
不明 |
1800年代前半? |
雪女 |
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雪女名彙
各地に伝わる雪女を意味する呼称、あるいは雪女に類する妖怪の呼称などを都道府県別に列挙する。
青森県
巳の子
宮城県
雪バンバ
山形県
雪女郎
新潟県
雪姉サ、雪女郎
長野県
シッケンケン、雪オンバ
愛媛県
雪婆
宮崎県
雪バショ
鹿児島県
雪バショ
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『百怪図巻』「ゆき女」 佐脇嵩之 1737
『画図百鬼夜行』前篇 陽「雪女」 鳥山石燕 1776
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主な参考資料
[文献]
『遠野物語』: 90ページ 柳田國男 1910
『津輕口碑集』: 128ページ 内田邦彥 鄕土研究社 1929
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 67ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『妖怪事典』: 356-357ページ 村上健司 毎日新聞社 2000
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