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 鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』(1779)に掲載されている妖怪。

山精の概要

 石燕は腕一本、足一本の猿のような妖怪を描いている。


一名を旱母といふ もろこし剛山にすめり その状人面にして獣身なり 手一つ足一つにして走る事風の如し 凡此神出る時は旱して雨ふる事なし

『今昔画図続百鬼』上之巻 雨 鳥山石燕 1779

 魃の由来となった神が、古代中国の『山海経』や、寺島良安の『和漢三才図会』(1712成立)が引く『本草綱目』に見られる。

 『山海経』「大荒北経」に登場する魃は、黄帝の娘であり、雨を止ますことができた。
 また『本草綱目』にある魃は、身長が2、3尺(約60~90センチ)で、目が頭の上にあり、風のように早く走るもので、これが出現すると日照りになるのだという。


『今昔画図続百鬼』上之巻 雨「魃」 鳥山石燕 1779

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 112ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『山海経 中国古代の神話世界』(平凡社ライブラリー): 170-171ページ 高馬三良 訳 平凡社 1994
『妖怪事典』: 282ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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