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猫又/猫股

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【ねこまた】

 日本各地に伝わる妖怪。

猫又の概要

 年を経た猫は尻尾が二股に分かれ、怪しげな行動をするようになるという。

 古くは鎌倉時代から記録がある。
 藤原定家の『明月記』天福元年(1233年)8月2日の条によれば、南都に猫股が現れて、一夜のうちに7、8人を食ったという。この猫股は、目が猫のようで、形は大きな犬のようだったそうである。
 吉田兼好の『徒然草』89段にも、奥山にいるものとして記されている。

猫又の伝承・逸話

香川県

 猫が人の死体を飛び越すと、死体が蘇り、猫股になる。
 古い飼い猫はネコマタになって尻尾が2本に裂けるともいい、魚を小豆飯に添え、赤い手拭いを被せ、「暇をやるから出ていけ」と指示すると、ネコマタは言われた通りに出ていくのだという。

猫又の画図

【猫又の画図が掲載されている主な資料】
 資料名 作者 制作年 妖怪名 画像
『化物づくし』(個人蔵) 不明 不明 ねこまた
『百怪図巻』(福岡市博物館蔵) 佐脇嵩之 1737 猫また 画像
『画図百鬼夜行』前篇 陰 鳥山石燕 1776 猫また 画像
『化物絵巻』(川崎市市民ミュージアム蔵) 不明 1800年代前半? 猫また


『百怪図巻』「猫また」 佐脇嵩之 1737


『画図百鬼夜行』前篇 陰「猫また」 鳥山石燕 1776

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 35ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『全国妖怪事典』(小学館ライブラリー): 198、200ページ 千葉幹夫 編 小学館 1995
『妖怪事典』: 261-262ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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