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入内雀

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【にゅうないすずめ】

 藤原実方の霊が雀と化したもの。

入内雀の概要

 実方雀とも呼ばれる。

 一条天皇の時代(985~1010年)のこと。
 天皇の待臣だった藤原実方は、あるとき藤原行成に陰口を叩かれた。実方は怒り、殿上で行成と口論した末、彼の冠を取って庭に投げ捨ててしまった。そのため、実方は陸奥へ左遷される。そして、都を想いながら死んだ。
 しかし、実方の霊は一羽の雀と化して、京の清涼殿に飛来。台盤の飯を啄んだと伝えられている。

 鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』(1779)にも描かれ、次のように解説されている。

入内雀
藤原実方奥州に左遷せらる その一念雀と化して大内に入り 台盤所の飯を啄しとかや 是を入内雀と云

『今昔画図続百鬼』上之巻 雨 鳥山石燕 1779


『今昔画図続百鬼』上之巻 雨「入内雀」 鳥山石燕 1779


『新形三十六怪撰』「藤原実方の執心雀となるの図」 月岡芳年 1890

(出典:国立国会図書館デジタルコレクション

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 119ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『妖怪事典』: 253-254ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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