鉄鼠
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【てっそ】
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』(1776)に掲載されている妖怪。
鉄鼠の概要
鼠と化した頼豪阿闍梨を描いたもの。
〇鉄鼠
頼豪の霊鼠と化と 世にしる所也
『画図百鬼夜行』前篇 陽 鳥山石燕 1776
平安時代、天台宗園城寺(三井寺)に頼豪阿闍梨という霊験灼然な僧がいた。
あるとき、頼豪は白河天皇から皇子の誕生を祈祷するように命じられた。効験があれば褒美を与えるという約束だった。後に祈祷が成就し、皇子が生まれた。頼豪は褒美として園城寺に戒壇を建立してもらうことを求めたのだが、白河天皇は園城寺と対立していた延暦寺を恐れ、頼豪との約束を反故にしてしまった。頼豪は激しく怨み、100日に及ぶ断食行の後、夜叉のようになって死んだ。
やがて頼豪の怨霊が鉄の牙のある大鼠と化し、数多の鼠を引き連れて延暦寺を襲撃、経典を食い破った。恐れを成した延暦寺は東坂本に社を築いて頼豪を祀り、怨念を鎮めた。頼豪を祀った社は「鼠の秀倉」と呼ばれるようになったという。
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『画図百鬼夜行』前篇 陽「鉄鼠」 鳥山石燕 1776

『新形三十六怪撰』「三井寺頼豪阿闍梨悪念鼠と変ずる之図」 月岡芳年 1902
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主な参考文献
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