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女郎蜘蛛/絡新婦/斑蛛

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【じょろうぐも】

 静岡県に伝わる妖怪。
 江戸時代の文献にも見られる。

 一般的な虫としても知られており、分類上はクモ目ジョロウグモ科に属する。

女郎蜘蛛に関する文献

 『宿直草』巻二(1677)に「急なるときも、思案あるべき事」と題された話がある。ある青年武士の前に、20歳ぐらいの女が子供を抱いて現れた。女は武士に子供を抱かせようとする。武士が女の正体を妖怪であると見抜いて斬りつけると、女は天井へ上がった。一夜明けて天井を確認すると、複数人の死体とともに、二尺ほどの大きさの上﨟蜘蛛が死んでいたという。

 また、『太平百物語』にも女郎蜘蛛についての記載があり、やはり女に化けるものとされている。

女郎蜘蛛の伝承・逸話

静岡県

 浄蓮の滝のそばで休んでいた男性の足に、女郎蜘蛛が糸を掛けた。男性はその糸を足から外して、近くの桑の古株に結びつけた。すると古株は音を立てながら引っこ抜かれ、滝壺へと落ちていった。
 女郎蜘蛛はこの滝の主であり、人を水中に引き込もうとしていたのである。


『画図百鬼夜行』前篇 陽「絡新婦」 鳥山石燕 1776

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 49ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『妖怪事典』: 190-191ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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