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逆柱

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【さかばしら】

 日本に伝わる、柱にまつわる怪。

逆柱の概要

 建築時に上下を逆さまにして建てられた柱のこと。逆さ柱、逆木柱とも呼ばれる。
 このような柱があると、屋鳴りがしたり、災いがあったりするという。

 井原西鶴の『西鶴織留』(1694)巻四「家主殿の鼻ばしら」に逆柱の話がある。
 京都六角堂の前にある家では以前から逆柱の怪異があった。ここで夫婦が暮らしていたが、梁が崩れるような音が毎晩するので引っ越してしまったという。

 このように、柱を逆さに建てると怪異が起こるとされる一方、逆柱に魔除けの効果を期待する場合もある。
 例えば日光東照宮の陽明門にある逆柱がこれに該当する。陽明門の逆柱は、建物は完成と同時に崩壊しはじめるという考えに基づいて建てられたもので、意図して未完成の部分を残すことで崩壊を防ごうとしているのだという。


『画図百鬼夜行』前篇 陽「逆柱」 鳥山石燕 1776

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 65ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『妖怪事典』: 169ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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