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姥火/姥が火

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【うばがび/うばがひ】

 江戸時代の文献に掲載されている妖怪。

姥火の伝承・逸話

京都府

 山岡元隣の『古今百物語評判』(1686)に記述がある。
 亀山(現在の亀岡市)に、子供を人に斡旋するからといって親から金を頂き、その子を保津川に流してしまう老婆がいた。だが、どうやら天罰が下ったらしく、老婆は洪水の際に溺死した。それ以来、保津川では夜になる度に怪火が出るようになった。人はこの火を姥が火と呼んだという。

大阪府

 菊岡米山の『諸国里人談』に記述がある。
 河内国(現在の大阪府)の平岡神社では、雨の降る夜に一尺(約30センチ)の火の玉が出て、近隣の村まで飛んだという。かつて平岡神社で毎晩灯油を盗んでいた老婆が、死んでから火になったものだとされている。
 姥火がとある人の前に落下したことがあった。見るとそれは鶏のような鳥だったが、飛び立つ姿はやはり火の玉のようだったという。

 鳥山石燕の『画図百鬼夜行』(1776)にも掲載されている。

〇姥が火
河内国にありといふ

『画図百鬼夜行』前篇 陽 鳥山石燕 1776


『画図百鬼夜行』前篇 陽「姥が火」 鳥山石燕 1776

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 54ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『妖怪事典』: 55-56ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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