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生霊

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【いきりょう】

 生者の霊。

生霊の概要

 霊というと死んだ者の魂だと想像されることも多いが、生きている者の霊が怪異をなす話も少なくない。

 生霊の話は平安時代には既に存在していた。
 紫式部の『源氏物語』「葵」には六条御息所が生霊となって葵の上をとり殺す場面があり、この生霊は「もののけ」「いきすだま」と呼ばれていた。「いきすだま」は島根県や高知県でも生霊が憑くことを表現する語彙として伝わっている。
 また、平安時代には霊が体から抜け出すことを「あくがる」と言った。これが「あこがれる」という言葉の語源になったのだという。

 生霊を意味する語彙としては、鹿児島県奄美大島の生きまぶり、沖縄県の生邪魔いちじゃま、イチマブイなどがある。


『画図百鬼夜行』前篇 陽「生霊」 鳥山石燕 1776

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 68ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『妖怪事典』: 30-31ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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