青坊主
|
【PR】
|
【あおぼうず】
静岡県や岡山県に伝わる妖怪。
青坊主の伝承・逸話
静岡県
〇靑坊主 (小笠郡横須賀町沖之須)
春の長い日も暮れて、野に遊んで居た子供達も歸つた。唯麥の靑い葉が夕風にさはいで居る。こんな時獨りの子供が家へ歸りおくれて麥畠の間の道を走つて來ると、麥の中から眞靑な靑坊主が出て其子を連れて行くと云つて、春日暮れて後は、餘り畠に子供を出さない。
(横山テイ、大石よね)
『靜岡縣傳說昔話集』: 301ページ 靜岡縣女子師範學校鄕土研究會編 靜岡谷島屋書店 1934
岡山県
邑久郡地方に伝わる。
主に空き家などから出てくる、青色をした大坊主だという。
青坊主の画図
鳥山石燕は『画図百鬼夜行』(1776)に一つ目の法師の妖怪を描き、青坊主と命名している。おそらく民間に伝わる青坊主とは別物なのだろうが、詳細は不明。
石燕の青坊主と似た姿の妖怪は他の資料にも見られ、それらは「目一つ坊」という名称になっている。
【青坊主の画図が掲載されている主な資料】
資料名 |
作者 |
制作年 |
妖怪名 |
画像 |
『化物づくし』(個人蔵) |
不明 |
不明 |
目ひとつ坊 |
|
『百怪図巻』(福岡市博物館蔵) |
佐脇嵩之 |
1737 |
目ひとつぼう |
画像 |
『画図百鬼夜行』前篇 風 |
鳥山石燕 |
1776 |
青坊主 |
画像 |
『化物絵巻』(川崎市市民ミュージアム蔵) |
不明 |
1800年代前半? |
目一つほう |
|
|

『百怪図巻』「目ひとつぼう」 佐脇嵩之 1737

『画図百鬼夜行』前篇 風「青坊主」 鳥山石燕 1776
|
引用文献
- 『靜岡縣傳說昔話集』 靜岡縣女子師範學校鄕土研究會編 靜岡谷島屋書店 1934
主な参考文献
|
|