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網剪

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【あみきり】

 鳥山石燕の『画図百鬼夜行』(1776)に掲載されている妖怪。

網剪の概要

 海老のような姿をした妖怪。
 名前からすると網を切る妖怪のようだが、詳細は不明。

 網切と言えば、北海道や東北地方の漁師が使う和鋏の名称でもある。
 妖怪研究家の多田克己の説によると、網剪は佐脇嵩之『百怪図巻』の髪切や、土佐光信『百鬼夜行絵巻』に描かれた和鋏の妖怪が関係しているという。石燕はこれらの妖怪に、和鋏の網切から得た「アミ」という音や、「海」の要素に基づいて醤蝦あみ(海中などに棲息する海老に似た見た目の節足動物。佃煮として食べられる)の姿を合わせることで、この網剪という妖怪を考案したらしい。


『画図百鬼夜行』前篇 陰「網剪」 鳥山石燕 1776

主な参考資料

[文献]
『鳥山石燕 画図百鬼夜行』: 41ページ 高田衛 監修、稲田篤信 田中直日 編 国書刊行会 1992
『季刊「怪」』第壱号: 224-225ページ 角川書店 1998
『妖怪事典』: 25ページ 村上健司 毎日新聞社 2000

白沢

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